1分で分かる均衡国民所得

このページでは??

このページでは、均衡国民所得に関して初めて勉強する人でも分かりやすい様に紹介します。

均衡所得とはなんなのか?役割などは??

 

均衡国民所得とは??

別称、均衡GDPと呼び、総需要Yd総供給Ys)が均衡する(=釣り合っている)ときの国民所得(Y)のことです。

では、実際にはどのような、総需要と総供給が想定されるのか?財市場の均衡国民所得(Y”)を決定するまでの過程から紹介します。

 

財市場の均衡国民所得

均衡国民所得(GDP)の定義は上記で説明した通りです。ここからは、総需要Yd総供給Ysがどのように示さられるのか?考えられるのか??深堀していきます。

目次

総需要(Yd)

総需要(Yd)とは?? 何か。。。

生産された中での付加価値の合計額のことです。

聞き慣れた言葉で言えば、GDP一国全体の需要を示します。

以下数式は、総需要(Yd)=GDPを構成する変数を示したもの(貿易ありの開放経済モデルです。

Yd=C+I+G+EX-IM

C:消費、I:投資(民間投資)、G:政府支出、EX:(輸出)、IM:(輸入)

 

ちなみに

 輸入額はGDPへ含めません。

理由は簡単で、日本の物の生産ではないからです。輸入を増やしたところで日本のGDPは増えません。

 

貿易を考えない場合は??

総需要(Yd)を考えるうえで、上に示した貿易ありの場合と国内で完結する貿易なしの閉鎖経済モデルの場合を考える必要がある。

閉鎖経済では、貿易がなどの海外との取引がないため、以下の数式で表せる。

Yd=C+I+G+EX-IM・・・①

C:消費、I:投資(民間投資)、G:政府支出

 

政府部門(税金)を考慮する場合

税金を検討する前に税金の課税方法には2種類あることを説明します。

定額税:所得に依存しない固定的な税金

定率税:所得の一定の比率にあたる金額を税金

※ケインズ型消費関数では政府部門を考慮する場合、定額税が採用されます。

 

そのため、ここでは定額税を考慮した場合の総需要(Yd)について解説します。

算出方法としては、①式へ、租税(定額税)を考慮した消費関数を代入します。

すると、下記式を求めることができます。

Yd=cY-cT+C0+I+G

c:限界消費性向、Y:国民所得、T:租税、C0:固定費、I:投資(民間投資)、G:政府支出

 

定額税を考慮した場合の総需要(Yd)と国民所得(Y)の関係図は下に示す通りです。

総需要(Yd)は定額税(T)、政府部門(G)の増減によりどのような影響を受けるでしょうか??総需要(Yd)曲線は上下、どちらへシフトするでしょうか??

増税↑を行えば、負の変数である(-cT)の値が小さくなる↓ため、総需要(Yd)は増加↑する。そのため、図では総需要(Yd)曲線は上↑へシフトします。減税↓は、その逆です。

政府部門による支出(G)(=公共投資など)が減少↓した場合は正の変数である(G)が減少し、総需要(Yd)も減少します。よって、総需要(Yd)曲線は下↓へシフトします。

 

総供給(Ys)

総需要(Yd)に続いて、、総供給(Ys)とは??何なのか??

それは、一国全体における財・サービスの供給(生産)の総額のことです。

 

下に、総供給(Ys)と国民所得(Y)の関係図を示します。

総供給(Ys)=国民所得(Y)って、どういうこと??

 

まず、広い意味では、国民所得Y)=総需要Yd)(=GDP)と考えることができます。

どういうこと? 以下数式(外交なしタイプ)を見てください。

Yd=cY-cT+C0+I+G

c:限界消費性向、Y:国民所得、T:租税、C0:固定費、I:投資(民間投資)、G:政府支出

総需要Ydを構成する変数には消費Cがあり、その消費C)を構成する変数には所得Yがあります。そのため、かなり広い見方をすれば総需要Yd)=所得Yと考えることもできるわけです。(厳密には違います。)

 

つぎに、総需要(Yd)=総供給(Ys)であることを考えてみましょう。ぱっと、考えたら想像はつきますよね?求められた分だけ、生産・サービスの提供を行う、そんなイメージです。日常生活にも置き換えできませんか??

 

下の例を見てみてください

GDP(総需要=Yd)500兆円のとき、生産された500兆円分の財・サービス(=Ys)が供給されます。

そのため、GDP(総需要=Yd)=総供給(Ys)となリます。

 

よって

総供給(Ys)=国民所得(Y)とも考えられるわけです。

 

 

均衡国民所得を求めてみよう

均衡国民所得均衡GDP)とは、最初に説明したように総需要(Yd)=総供給(Ys)が成り立つときの国民所得(Y)とお伝えしましたね。

総需要(Yd)、総供給(Ys)に関しても前項に記載した通りです。それらを踏まえて、総需要(Yd)=総供給(Ys)が成り立つときの均衡国民所得(Y”)を求めてみましょう。

 

先に、総需要(Yd)曲線、総供給(Ys)曲線を示した図を以下に示します。

均衡国民所得(Y”)は総需要(Yd)=総供給(Ys)なので、オレンジ戦と緑線の交点のX座標であることがわかりますね。

 

求めた結果、

Y”(-cT+C0+I+G)
       1-c

c:限界消費性向、T:租税、C0:固定費、I:投資、G:政府支出

であることがわかります。(また、Yd=Ys、Ys=Y、Y=Y”から、 Yd=Ys=Y”と言えます。)

 

ちなみに

各種変数との関係性では基本的に(1/1ーc)倍に変数の増減に比例します。一方で、租税(税金)の増減に関しては(ーc /1ーc)倍であり、反比例します。

 

たとえば、政府支出(G)(=公共投資)を10兆円増加した場合は

1/(1-c)倍です。なので、限界消費性向(c)について考慮する必要があります。仮に0.8(0<c<1)だとした場合2.5倍です。すると政府支出(G)の10兆円の増加に対して、均衡GDPは25兆円増加します。

 

均衡国民所得から何がわかるのか??

均衡国民所得(Y”)とはしつこいですが、総需要(Yd)=総供給(Ys)が成り立つときの国民所得(Y)です。なので、需要と供給のバランスを確認することができます

つまり、バランス点である均衡国民所得(Y”)を堺に、生産し過ぎの物余りか、品不足かを確認できるわけです。

下図を確認してみてください。

上図からも分かるように、均衡国民所得(Y”)の左側

つまり、

総供給Ys(生産量)<総需要Yd(消費量)

では、需要の方が多く、超過需要(=しな不足)と考えられます。

一方で、均衡国民所得(Y”)の右側

総需要Yd(消費量)<総供給Ys(生産量)

供給(=生産量)の方が多く、超過供給(=もの余り状態)と考えられます。

 

まとめ

  • 均衡国民所得(均衡GDP)は総需要(Yd)=総供給(Ys)のときの国民所得(Y)である。
  • 均衡国民所得(均衡GDP)から需要と供給のバランスを確認することができる。
  • 広い意味では、総需要(Yd)=国民所得(Y)であり、総供給(Ys)=国民所得(Y)が成立する。
  • 総需要(Yd)を構成する変数、租税だけは増減と反比例して総需要に影響を与える。
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