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独占的競争市場とは
”各企業の製品がブランド品の様に少しずつ差別化されているので、各企業が自分の製品に対してある程度の独占力を発揮できる市場”である。独占的競争市場モデルは短期での均衡状態、長期での均衡状態のそれぞれについて考える必要がある。
独占的競争モデルの特徴
・企業が多数存在、各企業のシェアは小さい。
→ 他の企業との相互依存関係を考慮せず行動する。
・各企業の製品は差別化されていて、各企業は自社製品に対して価格支配力を持つ。
→ 独占企業と同じ行動をとる。
・長期的には、市場への参入・退出が自由である。
→ 長期的には正の利潤が見込める場合に参入し、損失を被る場合は退出する。
短期の独占的競争均衡
短期の独占的競争均衡モデルを以下に示す。
限界収入(MR)=限界費用(MC)となるような生産量Q1を選択し、価格はP1となる。この均衡では、平均費用(AC)<均衡価格(P1) なので利潤が発生する。
長期の独占的競争均衡
長期の独占的競争均衡モデルを以下に示す。
短期均衡において企業の利潤が黒字であるため、新たな企業が参入する。差別化の程度が小さくなり、財への需要は減少する。需要曲線は左方向にシフトする。
新規参入は企業の利潤がゼロ(価格P=平均費用AC)になるまで続く。したがって、長期の均衡では下図のように需要曲線(D)と平均費用曲線(AC)が接するような状態が実現する。
長期の独占的競争均衡での利潤最大化(MR=MC)、利潤ゼロ(P=AC)需要曲線(D)と平均費用曲線が接する。