通貨切上げ
固定相場制を採用している国が、自国通貨が強くなるように為替レートの交換比率を対外的に引き上げること。
※日本や米国など変動相場制を採用している国では、市場原理により適正な為替レートに自動的に調整されるため、通貨切り上げはない。
通貨切上げによる影響
通貨価値の上昇に伴い輸出品の価格も上昇するために輸出先での価格競争力が低下する。
輸入品の価格が下落する。
自国の金融市場は緩和的になり、外貨準備高が増加する。
外貨準備高の確保
外貨準備とは政府や中央銀行が保有する外貨建て資産のこと。為替介入の資金になるほか、通貨危機で外貨建ての債務の返済が困難になる事態に備えて蓄える。
日本は国債を発行して円資金を調達し、円売り・外貨買いの為替介入を行い、外貨準備を積確保する。財務省と日銀が保有し、その保有量のことを「外貨準備高」という。保有量は財務省が毎月公表する。
外貨準備高はなぜ必要なのか?
外貨必要なタイミングは大きく2つ、諸外国から物を輸入するとき、借金を返済するときである。
輸入するとき
日本がA国、B国と取引をしているとする。A国にはA通貨、B国にはB通貨を支払わない資源などを輸入する。ところが、コロナショックや地政学リスクなどで外貨調達が難しくなることがある。そのような場合に備えて、一定の必要資源を輸入できる様にするために外貨準備は必要になる。
急な借金返済をするとき
日本は借金大国であり、定期的に諸外国への返済を行なっている。諸外国への返済額は為替レートによって変動する。円の価値が下がっている(円安)の場合は、同じ返済額でも多くの円を必要である。その様な影響を受けて、返済が間に合わない事を未然に防ぐために外貨を準備しておく必要がある。
※アジア通貨危機以降、アジア諸国は外貨準備を多く持つことを非常に重視してる。
引用元 HP
・三井住友DSアセットマネジメント 通貨切上げ
・三井住友DSアセットマネジメント 外貨準備
・公益財団法人国際通貨研究所