税効果会計

税効果会計

税効果会計の目的は、法人税等の額を適切に期間配分することによって、法人税などを税引前当期純利益に合理的に対応させることである。

つまり、

法人税などは、税引前当期純利益✖️実行税率法人税など

※実効税率(あるいは、法定実行税率)とは、課税所得に対する法人税、住民税、事業税の総合的な税率。

例 将来減算一時差異(減価償却費の超過額)

建物100、残存価額0、定額法、耐用年数(会計上1年、税務上2年)

目次

① 一時差異の認識

税務上の損金(50)<会計上の費用(減価償却費)100

会計上は費用100を認める。一方で、税務上では損金(税務上の費用)を50しか認めない(会計上と税務上で一時差異が50生じる)

② 差異の判定

将来減算の一時差異は、当該一時差異が解消するときに、その期の課税所得を減額させる効果を持つ。

なお、当該差異は将来にわたって必ず解消される。前述の例であれば、2年目に費用50が損金として認められることで、差異が解消される。

 

税務上の損金計上額 50 <会計上の費用計上額 100

よって、将来減算一時差異 ⇨ 繰延税金資産を認識する

なお、一時差異とは、厳密には、会計上の資産(または負債)の金額と税務上の資産(または負債)の金額との差額をいう。

会計上の資産計上額0<税務上の資産計上額50 で認識する。

税効果会計を適用

一時差異にかかる税額

= 一時差異×実効税率

=(税務上の資産計上額50 ー 会計上の資産計上額0)×40%

= ¥20

繰延税金資産  ¥20

法人税等調整額 ¥20

貸借対照表・損益計算書における計上方法

将来、減算一時差異にかかる税効果額は、

繰延税金資産 が貸借対照表に計上される。

法人税等調整額が損益計算書に計上される。

 

例題

決算にあたり、期首に取得した備品1,200千円(耐用年数4年、残存価額0)について定額法で減価償却を行った。

しかし、、、この備品の税法上の耐用年数は6年であった。。。

この時、計上される繰延税金資産または繰延税金負債の金額として、最も適切なものは??

※実効税率は30%、期首時点の一時差異は生じない。

解説)

税効果額の計算に関して考える。

会計上の資産税法上の資産の差額に実効税率を乗じることで、計算する。

ただし、

 

会計上の資産と税法上の資産の差額は、会計上の費用と税法上の損金の差額から計算しても、同様の数値が計算される

そのため、そちらから計算してもよい。

●会計上の減価償却費

¥1,200(千円)➗4=300(千円)

●会計上の備品の帳簿価額

¥1,200(千円)ー 300(千円)=900(千円)

●税法上の減価償却費

¥1,200(千円)➗ 6=200(千円)

●税法上の備品の帳簿価額

¥1,200(千円)ー 200(千円)=1,000(千円)

将来減算一時差異

¥1,000(千円)ー 900(千円)= 100(千円)

※会計上の減価償却費¥300ー税法上の減価償却費¥200 = 100千円から計算してもよい。

●調整すべき税効果額

減価償却費の超過額のため、繰延税金資産が計上される。)

¥100 × 0.3 = 30(千円)

(借:貸借対照表)繰延税金資産 30

(貸:損益計算書)法人税など調整額 30

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