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このページでは資本コストに関して、またその他、関連する情報を学習することができます。資本コストは簡単に言えば、企業が外部から資金を調達する際にかかるコストの事です。会社の投資部門で働いている方や、それら部署に関わりのある方、新規事業開発に関わっている方などを始め、コスト感覚を養い方には最後まで読んで抱きたいです。
資本コストとは??
●資金調達の見方からすると
資本コスト(加重平均資本コスト)とは、社債や株式の発行などによって企業が調達した資金に対する調達コストの割合を個別調達源泉ごとではなく、全社的に表したもののこと。
●資産運用の見方からすると
企業は資金提供者(投資家や銀行など)に対して、株主が期待する配当(必要収益率)と債権者が求める金利(利率)を支払わなければならない。
●利益を生み出すには
資本コスト(加重平均資本コスト)<収益率 ⇦収益率は収益性分析によって確認する。
資本コストの計算方法
資本コストの計算方法は以下の式によって導くことができる。
●ポイント
・自己資本、他人資本(負債)の価値は時価を用いる。
・配当の支払いは損益計算書に含まれない。利息の支払いは損益計算書に含まれ、当期純利益を減額する。
・負債による資金調達は、利息の支払いによる節税効果を伴うため(1ー税率)を乗じて調整を行う。
・配当モデルやCAPMの計算式が使用される場合もある。
負債による資金調達による節税効果
負債ありの場合は支払利息に税率を掛けた分だけ節税金額に該当する。

例題
A社の調達資本および税引前資本コストが次のように与えられているとき、A社の資本コスト(加重平均コスト)は??※法人税などの実効税率は40%とする。※帳簿価格とは、会計帳簿に記載された金額のこと。会計上のルールによって計算されたものである。時価とは異なる。(科目によっては、帳簿価額=時価の場合もある)
●考えかたのポイント
・貸借対照表に置き換えてみる。
・帳簿価格ではなく、時価を採用する。

●資本コストは?
負債あり税引前資本コストへ(1ー税率)を乗じることによって導かれる。
負債あり:60%/100 × 4% × (1ー0.4)= 1.44%
純資産:40%/100 × 5% = 2.0%
資本コストは3.44%(1.44%+2.00%)である。
●利益を生み出すには
資本コスト(加重平均資本コスト)<収益率 ⇦収益率は収益性分析によって確認する。