資金調達を知る
日々の業務でコスト意識はできていますか?このページで企業による資金調達の方法と流れを学習できます。資金の調達の流れを理解することによって、日々の業務における判断がより角度の高いものへ変わっていくことでしょう。
関わっている業務の全体構造を把握したい、案件の優先順位を理解し、判断の精度を上げたいという方には最適かもしれません。
資金調達の流れ
下図は企業が外部から資金を調達するためのフローを簡易的に示したものです。ここで、重要な要素になってくるのは企業が抱える案件の評価です。企業が時間とお金を投資する価値があるかどうかの判断が必要です。その為に収益性・効率性分析や安全性分析・CVP分析や内部収益率の検討など、多角的な視点から評価を行います。
資金調達の方法は
資金調達の方法は大きく2つに分けられます。債権発行による負債調達と新株式発行による株式調達です。
負債調達のメリット・デメリット
●メリット
・資本コスト=支払利息は契約によって一定であるため、変動は少ない。
・金利は企業の格付けによって決定される。財務状態が健全な企業ほど、利率は低い。
・支払利息(資本コスト)は税務上損金算入されるため、節税効果を持つ。
●デメリット
・支払利息(資本コスト)が多ければ多いほど、主要な業績指標として使われる経常利益が少なくなる。
・支払利息(資本コスト)が多くなればなるほど、企業の安全性指標の1つであるインタレスト・カバレッジシオが低くなる。
●リスク
・債権発行による、多額の資金調達は、事業計画の設定において、将来を楽観視しすぎることがあり、実行可能性を過大評価してしまうことがある。
・社債などによる資金調達は、財務上の特約(Covenant)によって事業運営の自由度がある程度束縛される。
株式調達のメリット・デメリット
●メリット
・株式発行によって、行った資金調達は返済義務がない。
・損益計算書において、配当金支払に係る支出は業績指標である営業利益や経常利益、税引後当期純利益の計算に関わらない。
・資本コスト(支払利息)は利益の額に応じてきます。
●デメリット
・支払い配当金に節税効果はない。
・株式調達は、1株あたり、利益の希薄化を招き、株価にあまり良い影響は及ばない。
⇨資本コストの説明はこちら
ちなみに 制度は見直されている
H17 中小企業の会計に関する指針が公表。
・会計の質の向上を目的として、中小企業が計算書類の作成にあたり、望ましい会計処理や注記などを示すものである。
H18 会社法、会社法施行規則および会社計算規則の制定に伴い見直し